現代の医療教育は、テクノロジーの進化に伴い大きな変革を迎えています。最近よく耳にする医療VRについて、導入を検討しているものの、現段階では体験できる機会が多くはないのが現状です。【導入事例】では、実際にVR教材「BODYMAP」を導入をした学校や医療教育機関、学生の声をご紹介し、導入のきっかけや導入してよかったこと。これからの医療教育に良いと言われているVR教材は具体的にどのように活用できるのか。を紐解いていくメディアです。

今回は、長年にわたり優れた医療人材を輩出してきた名門大学で、解剖学などを学生に教えている田中先生にお話を伺いました。

BODYMAPを導入した学校の事例

導入背景と狙い

田中先生:生徒に解剖学の授業をしている時に、教科書や標本のみで人体内部の構造について説明していたところ、生徒たちの顔が何となくすっきりしていないような表情をしていた事に違和感を覚えたのがきっかけです。10年前であれば教科書と標本を見ながら授業をするのが普通でした。しかし、近年では動画配信で分かりやすく解説動画を見ながら勉強する事が一般的になりつつあります。人体の内部が実際にどのような構造か、より具体的に可視化できるツールを探していたところ、BODYMAPを見つけました。

BODYMAPを導入したきっかけ

田中先生:興味はあってもVRを体験したことがなかったため、ひとまず問い合わせしてみました。実際にデモを受けてみたらもっと早く連絡すればよかったなと拍子抜けしましたね(笑)BODYMAPは、人体の詳細な3Dモデルを用いて作られていますが、VRのヘッドセットを装着することで、実際に人体内部を歩き回りながら学ぶことができ驚きました。骨格、筋肉、血管、内臓など、細部までリアルに再現されたているので、従来の教科書や標本では得られない深い理解が得られ、これからの医療教育を発展させるツールだと考え導入しました。

導入までにかかった時間

田中先生:手続きをしてからは一か月程度で導入できました。パソコンとヘッドセットの準備など一貫してお任せできるのが楽でした。個人的には導入するまで学内の各方面に手続があったりが手間かなと考えましたが、対応してくださった前田さんがスムーズな手続きになるようにサポートしてくれたので助かりました。

学生の反応

田中先生:VR技術を導入したことで、生徒たちは非常に積極的に学ぶようになりました。特に解剖学の授業では、実際に人体の中を探索する体験ができるため、理解が深まるだけでなく、興味を持って学ぶ姿勢が見られます。ただ聞いているだけの授業では、知識を定着させるのに時間がかかりますが、興味を持って取り組めるツールがあれば、理解が深まります。この教材は、クイズができる点も素晴らしいです。

2年生:教科書で学ぶだけではなかなか理解しづらかった部分も、VRで実際に見て触れることで非常に分かりやすくなりました。実際に採血などを行う前に、何度もシミュレーションできるのも大きなメリットです。

田中先生:教員側から見てもBODYMAPの導入は教育の質を向上させる一助となっています。生徒一人一人が自分のペースで学習できるようになった点が非常に大きいです。VRを使用することで、複雑な手術手技や病態生理を直感的に理解させることができるのも魅力です。

今後の活用方法

田中先生:今後はシミュレーションの幅を広げ、臨床実習や他の医学領域にもVR技術を取り入れていきたいと考えています。学生たちがより実践的なスキルを身につけ、即戦力として活躍できるよう支援していきたいです。

導入を考えている人へのアドバイス

VRに興味があっても、いきなり問い合わせをするのは勇気がいるものです。私も最初は知識がない状態でした。

一度体験してみるという一歩を踏み出すことができれば、世界や視野が広がります。先にご紹介した通り、難しく考えずに興味を持ったら相談してみてください。生徒たちに体験してもらうことも一つの手段かもしれません。